給配管のメンテナンス
マンションのトイレ、バス、キッチン、洗面など衛生設備は、一戸建て住宅に比べるほとんど一ヶ所に集中しています。これは、できるだけメンテナンスを容易にすることと、トラブルを少なくしたいという設計者、販売者の思惑、また住居をひとつのユニットととらえて集積しなければならないマンション建築の宿命と言えます。
マンション設計者は、可能な限り最小スペースで水廻りを処理したいと思いますから、一戸建てのように庭のSK(シンク)で水を撒いたり、寝室に洗面を設けたりすることはほとんどありません。
したがって、子供や老人のいる家庭ではマンションの衛生設備はほぼ一日中使用されることになります。キッチン、バスや特に洗濯パンに置かれた洗濯機は常に動いている状態になるうえ、給湯はボイラー給湯費ひとつで稼動するわけですから、機器や配管への負担は相当なものになります。
マンション生活ではこのように一ヶ所で大量の湯水を使うのが特徴です。長年にわたり、毎日使うものですから、事前チェックの必要な部分でもありますが、実際には折り込みチラシでは設備システムについて明確に説明してあるものは少ないですし、モデルルームでも設備システムがどこにあるのかも分からないのがほとんどです。
マンションに使用される給湯設備について簡単に説明します。
①セントラル給湯
専用のボイラールームを建物内に設置して、たいていは複数の貯湯ボイラーによって各住戸に給湯するシステムで本格的なボイラーを使用します。燃料には、重油や灯油、ガスなどが使用されます。配管は一般的な仕様で、各住戸の使用量は、住戸近くのメーターで計量できます。
しかしセントラル給湯は敷地内に専用の面積を必要とすることや衛生設備の知識を持つ管理人を常駐させなければならないため、現在ではあまり採用されていません。
とはいえ、最近では温泉の大浴場を共用施設としたマンションも出てきています。こういった特殊な場合は、セントラル給湯が有利になることもあります。どのような物件を手に入れたいのかによって違ってきますので、よく確認しておきましょう。
②電気式個別給湯
深夜電力を使用する電気式の貯湯ボイラーは、1平米ほどの設置スペースが必要です。たいていは廊下側から点検できるようになっています。
電気式なので種火や排気の必要がないことがメリットですが、デメリットとしては、一定の容量を使い切ってしまうとたちまち水になってしまう点です。これはボイラーの貯湯槽の容量が決まっていて、給水圧力で湯が出るしくみになっているためです。目安として、一人当たり80リットル以上の容量が必要になってきます。
③ガス式個別給湯
ベランダなどの戸外に設置されるボイラーがほとんどであり、これを「屋外床設置型ボイラー」と呼びます。そのほとんどは防風タイプとなっているので口火が消えることもなく、給湯量もバラエティーが豊富なので設備設計サイドとしても比較的選択しやすいタイプといえるでしょう。
同じガス式で「バランス型ボイラー」と呼ばれる屋内設置型のものもあります。これは瞬間湯沸かし器を組み込んだものなので、強風で口火が消えやすいタイプもありますので、購入前に、防風型かどうかチェックしておきましょう。
いずれのタイプでも年々、性能が向上してきており、小型化が進んでいます。耐用年数を過ぎて交換する際には、自宅で使っているボイラーのタイプを知っておくことが大切です。
配管は、銅管を使うのが現在の主流となっています。湯は水より配管内を腐食させやすく、メンテナンスに費用がかかる可能性が高いため、以前よく使われていた亜鉛メッキ鋼管の場合は要注意です。 さらにグレードが下がると、硬質塩ビパイプになります。
給湯配管のチェックポイントは、まず「銅か亜鉛か塩ビか」と確認することです。 次にメンテナンスや交換が容易にできるかどうかという点です。 大家族の場合はガス式の屋外設置型が有利と言えるでしょう。
湯は毎日使う生活の要となりますから、設備機器についても販売会社やメーカーで、事前に情報を入手しておくことが入居後に後悔しない最善の方法といえます。