ベランダの安全対策

 マンションと戸建て住宅の違いは、高層住宅に住むか、低層住宅に住むかといった点ですが、マンションの一階以外の住民は誰もが「高層生活者」になるわけですから、それなりの心構えが必要になってきます。
 高層生活者にとって最も注意しなければならないのは、落下事故です。今後、マンションの高層化はますます進んでいきますので、落下防止のための対策が生活者と建築の双方にかかわってきます。
 落下事故といえば、まず頭に浮かぶのが子供のケースです。子供がマンションのベランダから落ちた、といった事故が後を絶ちません。マンション生活者にとっては、子供を管理する親の目が戸建て住宅の場合より厳しくなるのは当然のことでしょう。
 しかしその前に、建築そのものが事故を防止する安全第一の設計となっていなければなりません。
 幼児がマンションのベランダから落下するケースを挙げると、手摺の格子や小柱の隙間から落ちる場合や段差に足をかけて手摺から身を乗り出しバランスをくずして落下するケースがあります。どちらもベランダの設計に問題があることが多いものです。
 ベランダのチェックポイントとして、次の四点を確認しておきましょう。
①横桟、格子の手摺は避ける
 「横桟」は鉄棒のようにバーが取り付けられている手摺で、かなり狭い幅のものでも子供の足は簡単に入ってしまい、梯子の役目を果たしてしまいます。格子状のデザインも要注意です。
 
②手摺がコンクリート製の場合、内側に台になるような突出物がない
  コンクリート製の手摺の強度を上げるために、足元のコンクリート厚を増して打設したもので、これが足台となってしまいます。

③屋外機などが、手摺側に置かれていない
②と同じ理由ですが、これが意外と気づかない場合が多く、屋外機のほかにプラントボックスや洗濯機なども注意が必要です。

④縦桟の手摺の間隔が10センチ以下である
  ベランダ手摺からすり抜けて落下するケースがあります。中には15センチほどのものも見られますが、この場合は内側に樹脂製やアルミ製のパネルを取り付ける必要があります。しかしこれは、外観を大きく損なうため、管理組合などとの話し合いが必要となります。
 
 マンションの落下事故で最も多いのが、植木鉢などベランダにおいてある物の落下です。十階程度の高さからでも小さい植木鉢が落ちると自動車の天井が抜けるくらいの威力があります。
 事故を防ぐ一番の方法は、ベランダには物を置かないことです。特に最近見られるベランダ外付けの鉢植えなどは言うまでもありません。空調の屋外機にしても、避難経路と安全の確保の観点から、吊り構造にしたほうがよいでしょう。
 欧米では、高層ホテルなどでも窓がわずかしか開かないものがほとんどですし、ベランダで布団を干す習慣もありません。古代から開放的な木造の低層住宅に慣れ親しんできた日本人にとっては、コンクリート製の高層建築に住むことは苦手なことかもしれません。
 しかしだからこそ、購入前にきちんと確認をし、意識を高めることが大切なのです。