マンション防犯システム

 戸建て住宅と比べると従来マンションの防犯機能は高いとされてきましたが、いわゆるピッキング事件の多発によって、現在は必ずしもそうとは言えない状況になってきました。
 またエントランスのオートロックが防犯上、有効的に機能していないことも周知のとおり、どのようなオートロックドアもいったん開けば、その隙に容易にすり抜けてしまうことができます。
 オートロックに防犯機能を期待できないため、新築マンションの防犯対策が売り手にも買い手にも重要な要素となってきています。宣伝文句に防犯対策をうたっている広告でも、せいぜい玄関ドアを二重ロックにしたり、鍵のグレードをあげたりする程度のもので、実はお粗末といっていいものばかりです。
 戸建て住宅は四方に空間があるため、常に人の目にさらされやすいので近隣からの監視が可能ですが、これに対しマンションはいったん内部に侵入すると人目につきにくいのも特徴です。
 マンション購入時に着目するポイントを挙げてみます。

 ①死角の少ないプランニング(平面計画)
 一番問題が多いのはエントランスホールに付属する郵便受けコーナーでしょう。平面的に見て、人が隠れやすい場所が多いか少ないかをチェックします。

 ②監視カメラの位置
 グレードの高いマンションになると区画が多くなる傾向にあります。これをカバーするには防犯カメラが有効ですが、必要な数を適正な位置に設置してあるかがポイントになります。
 具体的な方法として、平面図に監視カメラのしるしをつけ、カバーされている範囲をチェックします。死角が少ないほどいいわけです。監視カメラの機種や設置場所等は電気設計図を見ればわかります。

 ③ベランダからの進入防止策
 エントランスホールや玄関ドアにどんな強固な防犯対策をしても、ベランダが無防備になっていては意味がありません。実際、ベランダから進入される例は非常に多く、駐車場に背の高いトラックなどを乗りつけ、そこから二階のベランダへ侵入することは容易にできるのです。
 ベランダからの進入対策は、鍵以上にガラスの仕様が決め手となります。ガラスを破って室内に侵入するケースが最も多いからです。
 ここでは、二枚のガラスの間に中間膜をはさんだ防犯ガラスが有効で、バールなどでも破れない構造になっています。また、いわゆる「焼きとり」に対抗するものとして、不燃性の中間膜を使用したものも出ています。ちなみに、単にガラスを二重にしたペアガラスではほとんど防犯機能は期待できません。
 
 ④人的な防犯対策
 マンションのエントランスホールにはたいてい管理人室が設けられていますが、肝心なときに不在だったということが多く、防犯上ほとんど期待できないのが現状です。また管理人室からホール全体が見渡せない設計になっている場合もあります。
 さらに人的な防犯対策について、管理組合が有効に機能するかという点もあります。マンションの場合、鍵やガラスを換えるにしても全戸がいっせいに実施する必要があります。販売会社がどの程度までアフターフォローしてくれるのかも確認しておいたほうがよいでしょう。